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CNFの成果品と可能性
その他
SOLIZE株式会社
3Dプリンター用CNF複合材料
PP+CNF配合材料と3Dプリント工法の開発
事業概要
従来金型を製作して生産する製品について、新しい工法である3Dプリンターを用いた生産にすることにより、金型レス及び軽量化を狙いCO₂削減に貢献する材料開発を行いました。CNFを配合することにより、ポリプロピレン(PP)材単独では機械的特性が不足する、強度の向上を目指しました。
検討内容
PP材料の特性を生かした材料選定(機械物性、流動性の異なる異種PPの最適配合)による基礎物性 の向上と、CNFの複合による高強度化を検討しました。
取組結果と今後の展開
本開発材料は強度向上により、既存材料に対し10~15%の軽量効果が見込まれる材料を目指しています。今後、更に機械的統制を改善することで自動車内装部品への採用を目指し、衝撃性の向上、表面の滑らかさや見栄えの改良、開発が求められます。造形工程においては、異なる材料を使用する事で今までに無い組成の製品ができる事も確認できました。材料作成・3D造形時、及び製品使用時のCO₂削減については、合わせてて5~10%程度の削減が見込まれています。
株式会社吉川国工業所
CNF複合化品の開発・製品化
CNFを用いた家庭用品分野の
新規プラスチック製品の開発・製品化
事業概要
京都プロセス法によりCNFをポリプロピレンやバイオポリエチレンに独自に複合し、リサイクルができる強化プラスチックの自社開発を行いました。
検討内容
混錬工程での解繊状況はまだ工夫の余地ありですが、射出成形工程や押出成形工程 などでもCNF品ならではの成形条件等を見出すことが出来ました。CNFを使用することにより、CNFを5%含む開発品は従来のポリプロピレン製スタックアップコンテナよりも11%の軽量化および9%のCO₂削減効果が見込まれました。
今後の展開
CNF等のセルロースを使用した市場ニーズに合うオールバイオ複合樹脂(革新材料)を実証試作し、更に製品の軽量化のために革新的な高度化技術(発泡成型)を備えた設備を導入する※ことにより、製品 量産最適条件を調整設定し、商業生産に繋げていきます。※令和4年7月「環境省令和3年度二酸化炭素排出抑制対策事業費補助金事業追加公募」採択 現状、当社商品は石油由来プラスチックを主材としていますが、環境意識の高い生活者に向けてLCA評価されたCNF等のセルロース入り革新材料に変え、CO₂削減効果を高くした製品の市場投入を実施します。今後は、製品のシリーズ展開を実施して商用規模拡大を計画しています。更に当社がCNF等のセルロースを使用したオールバイオ複合樹脂のマスターバッチ販売や製品の商用 事例を先進事業モデルとして、他の産業分野へ情報発信し、商用規模の拡大を目指します。
株式会社 上山製作所
セルロースナノファイバー配合
バイオポリエチレンを用いた日用品開発
事業概要
日用雑貨のプラスチック射出成型品について、バイオ素材による汎用樹脂代替を狙い、PP(ポリプロピレン)やPS(ポリスチレン)で生産した従来製品と比較し、強度、機械耐久性の検証を行ないました。
検討内容
ランナーリサイクル材料のみで成形しても大きな強度劣化がなく、製品強度を十分満たすことがわかりました。CNF10%と5%では対象製品の硬度がPOMとHDPEにそれぞれ近くなりました。従来品と比較して生産単位時間の電力費、輸送距離等を数値化した結果、CNF10%の場合で16.5%のCO₂削減効果があることを確認しました。
今後の展開
京都大学生存圏研究所、(地独)京都市産業技術研究所、他との協働により、CNF配合バイオプラ材料をカスタマイズして各汎用樹脂代替グレードの作製を行なった上で、自社製品ラインナップにCNFバイオ材料シリーズを構築してまいります。CNF配合バイオ材料で代替できる製品を開発することで商品差別化を狙い、お客様に石化由来製品との選択を促すことを目指します。